日本腹部救急医学会雑誌
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原著
小児急性虫垂炎における腹腔鏡手術の位置づけ
―開腹法と比較して―
橋詰 直樹寺倉 宏嗣吉元 和彦八木 実
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2014 年 34 巻 1 号 p. 43-47

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抄録

【目的】小児急性虫垂炎に対して,当科における腹腔鏡下虫垂切除術(以下,LA)と開腹虫垂切除術(以下,OA)の手術成績と合併症を比較し,標準術式とした場合の有効性を検討した。【方法】15歳以下の小児例でOA群130例とLA群121例を対象とした。全例および肉眼的に壊疽・穿孔をきたした急性虫垂炎にLAとOAとの比較検討を行った。検討項目は術前白血球,術前CRP,手術時間,術後食事摂取開始日数,在院日数,術後早期合併症として創感染,術後腹腔内膿瘍,術後腸閉塞とした。【結果】手術時間は全例および壊疽・穿孔虫垂炎でLAが有意に長かった。術後食事摂取開始日数,在院日数,術後早期合併症の発症率は有意差を認めなかった。【結論】標準術式としてLAを施行する場合はOAと比較して長時間となるがLAはOAと同様な治療成績であり,標準術式として施行することが可能であると考えられた。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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