日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
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ISSN-L : 1340-2242
原著
腹部刺創症例の検討
下条 芳秀森 眞二郎中村 篤雄森田 敏夫田代 恵太高須 修山下 典雄疋田 茂樹坂本 照夫
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2015 年 35 巻 6 号 p. 723-727

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抄録
腹部刺創患者は理学所見がとりにくく,画像診断による腹腔内遊離ガスの同定が消化管損傷の確定診断にならないことなどから,開腹適応に迷う場合が多い。その結果,開腹術を施行しても臓器損傷のない不必要開腹(unnecessary laparotomy:以下,UNL)が行われていることも少なくない。現在まで当施設では,腹膜穿通が認められた場合を開腹適応とする強制的開腹を治療方針としてきた。今回,当施設で過去7年間に経験した腹部刺創症例18例(来院時心肺停止症例2例を除く)についてまとめ,今後の診断・治療方針について検討した。UNL症例は7例(43.8%)であった。術前腹膜穿通正診率は100%,開腹遅延例および死亡例は0例であったが,UNL率が他の報告と比較すると高い傾向にあった。今後は,診断的腹腔鏡検査を含めた腹部刺創診療のプロトコールを作成し,選択的保存療法を行うことでUNL率の減少に努めたい。
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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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