日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
2年の経過で皮下に排出された骨盤内異物の1例
増田 作栄小泉 一也魚嶋 晴紀賀古 眞
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2015 年 35 巻 6 号 p. 815-818

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抄録
全身性エリテマトーデスにてプレドニゾロン(PSL)内服中の57歳女性。発熱と腰痛に対し近医で加療を受けるも改善に乏しく,当院総合内科に入院となった。腹部造影CT検査にて,直腸周囲にガス像を伴う液体貯留を認め,骨盤内膿瘍の診断で抗生剤治療となった。経過中に大量の血便が出現したため当科に紹介となり,緊急下部消化管内視鏡検査を施行したところ,上部直腸に露出血管ならびに拍動性出血を認めた。クリップにて内視鏡的に止血し得たが,止血後に処置前から存在したと思われる直腸穿孔を認め,緊急手術となった。クリッピングは直腸穿孔部を介した腸管外血管への処置であったことが確認されたが,摘出は行わず直腸切除と人工肛門造設にて改善した。2年後に臀部痛にて受診した際のCTで,クリップが臀部皮下に排出されたため摘出した。骨盤内異物の皮下への排出はまれであるが,背景にPSLによる肉芽腫形成不全の関与が推察された。
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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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