抄録
症例は69歳男性。2005年に胃体上部後壁の早期胃癌に対し胃全摘術(Roux-en-Y法再建)を施行,7年間無再発で経過していた。2012年1月に腹痛で救急搬送,腹部造影CTで輸入脚の拡張を認め緊急手術を施行し,輸入脚の捻転を認めたため捻転の解除を行った。腸管虚血はないと判断し腸切除は行わなかったが,術後経過は良好であった。2012年6月の血液検査で肝胆道系酵素の上昇を認め,腹部造影CTで輸入脚の拡張を指摘された。全身状態は安定していたため,輸入脚の減圧を試みることとした。経皮経肝胆道ドレナージを施行し,後日チューブ先端を十二指腸へ通過させ輸入脚の減圧を行った。腸管拡張が改善したのを確認し待機的に手術を施行,狭窄した腸管を部分切除し輸入脚を肛門側腸管と側側吻合し,術後2年再発は認めていない。輸入脚症候群に対する治療として経皮経肝胆道ドレナージの応用は有効な手段であると考えられた。