日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
幽門側胃切除術後の重症縫合不全に対して経鼻的ドレナージが奏功した1例
三宅 益代山本 淳佐藤 渉長嶺 弘太郎
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2016 年 36 巻 4 号 p. 727-731

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抄録

症例は72歳,男性。ESD施行後胃癌に対して幽門側胃切除術,D1郭清,Billroth-Ⅰ (B-Ⅰ) 法再建を施行した。造影検査で縫合不全がないことを確認し経口摂取を開始,術後9日目に退院した。退院後,発熱・嘔吐が出現し当科受診した。血液検査では白血球数13,500/μL,CRP 26.19mg/dLと上昇し,腹部造影CT検査では胃十二指腸吻合部は一部離開し,周囲にair densityを含む液体貯留を認め,重症縫合不全と診断した。減圧チューブを用いて経鼻的に膿瘍腔のドレナージを開始した。減圧チューブの間欠吸引により膿瘍腔は縮小し,上部消化管内視鏡検査でも離開部の肉芽形成,粘膜再生を認めたため経口摂取を開始,第47病日目に退院した。重症縫合不全に対しては再手術や経皮的ドレナージが必要となることが多いが,今回われわれは,経鼻的ドレナージが奏功した症例を経験したため若干の文献的考察を加え報告する。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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