日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
子宮全摘後の膣断端離開により小腸脱出をきたした2例
山地 康大郎隅 健次田中 聡也
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2016 年 36 巻 4 号 p. 823-828

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抄録

子宮全摘後に膣断端離開により小腸脱出をきたした2症例を経験したので報告する。症例1は33歳,女性。卵巣腫瘍に対し腹腔鏡下子宮全摘,付属器切除を施行され,術後2ヵ月目の性交渉直後より腹痛を自覚し当院を受診した。膣より小腸の脱出あり緊急手術を施行された。膣断端が離解し回腸が80cmにわたり嵌頓していた。腸管壊死はなし。膣断端閉鎖を施行された。また総腸間膜症が認められた。症例2は53歳,女性。子宮筋腫に対し腹式子宮全摘を施行され,術後2ヵ月目に排便後,腹痛と膣脱出物を自覚し当院を受診した。膣より小腸の脱出あり緊急手術を施行された。膣断端が離解し回腸が1mにわたり嵌頓していた。腸管壊死はなし。膣断端閉鎖を施行された。本症でも総腸間膜症あり。子宮全摘後の膣断端離開はまれな合併症だが,小腸嵌頓が生じると症状が激烈であるため緊急手術の必要がある。また総腸間膜症が小腸脱出を助長する一因となることが示唆された。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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