日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
経皮経肝胆囊ドレナージを行い待機的に根治術を施行し得た残胃癌による輸入脚症候群の1例
室谷 研岩崎 茂
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2016 年 36 巻 5 号 p. 927-930

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抄録

症例は72歳,男性。40年前に胃潰瘍手術を施行されていた。嘔気で近医を受診し,胃内視鏡検査で残胃癌を認め,CT検査で輸入脚症候群の疑いで紹介となった。内視鏡的に輸入脚の減圧を試みるも癌による狭窄のため減圧不可能だった。緊急手術を回避するためにまず経皮経肝胆囊ドレナージチューブを留置した。その後胆囊管経由で内瘻用カテーテルを経乳頭的に十二指腸内に留置し輸入脚の減圧を行った。輸入脚の減圧成功後,残胃癌の手術的切除を行った。手術は残胃全摘,膵体尾脾,横行結腸,左副腎合併切除,D2郭清を行った。術後経過は良好で,術後第25日目に退院した。残胃癌による輸入脚症候群は癌による狭窄のため内視鏡的減圧が困難なことがある。その為輸入脚の穿孔の危険性がある場合は緊急手術が必要になることが多い。輸入脚症候群になった残胃癌に対して緊急手術を回避し,待機的に手術を行うために本手技は有効な方法と考えられた。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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