日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
骨盤リンパ節郭清時に遊離した脈管の間隙に小腸が嵌入し絞扼性腸閉塞を発症した1例
渡邉 利史北野 悠斗久野 貴広材木 良輔岡崎 充善山崎 祐樹寺井 志郎柄田 智也竹下 雅樹天谷 公司山本 精一加治 正英清水 康一
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2017 年 37 巻 1 号 p. 045-048

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抄録

骨盤リンパ節郭清に伴って遊離された尿管や血管が原因となった絞扼性腸閉塞の1例を報告する。症例は腹腔鏡下広汎子宮全摘術の既往がある43歳女性。突然の上腹部痛を主訴に当院救急搬送となった。腹部に圧痛を認め,造影CT検査で絞扼性腸閉塞と診断し緊急手術を行った。拡張した小腸により絞扼部の直視はできなかったが触診で索状物が確認された。徒手整復で還納したところ,索状物が広汎子宮全摘術時に遊離した右尿管と内外腸骨静脈であることが判明した。間隙を埋めるように縫縮し手術を終了した。術後は合併症なく経過し9日目に退院となった。骨盤リンパ節郭清に伴って遊離された尿管や血管が絞扼性腸閉塞の原因となった報告はまれである。拡張した腸管で視野の確保が困難なことも多いため,骨盤リンパ節郭清の既往を有する患者の絞扼性腸閉塞においては,絞扼の原因が脈管である可能性を考慮し,触診などで入念に鑑別することが重要である。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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