日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
小腸穿孔で発症し術後長期生存を得た小腸T細胞性悪性リンパ腫の1例
良永 康雄北川 美智子
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2018 年 38 巻 3 号 p. 549-553

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抄録

症例は53歳,男性。7時間前からの腹痛を主訴に救急外来を受診した。来院時,左側腹部を最強点とする腹部全体の強い圧痛,反跳痛,筋性防御を認めた。腹部造影CTにおいて,腹腔内遊離ガス像と腹水を認め,左側腹部の小腸に不整な壁肥厚を認めた。小腸腫瘍に伴う穿孔と汎発性腹膜炎の疑いで,緊急開腹手術を施行した。術中所見として,小腸に壁肥厚と穿孔を認め,小腸部分切除術を行った。切除標本より小腸T細胞性悪性リンパ腫の診断を得た。術後合併症なく退院した。他院で化学療法と自己末梢血幹細胞移植(auto-PBSCT)を行い,CT上で完全寛解を得た。しかしながら,術後4年2ヵ月目に頸部リンパ節へ再発をきたし,化学療法を再度施行されるも,術後4年6ヵ月目に中枢神経への浸潤と呼吸不全により死亡した。 

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© 2018, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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