2019 年 39 巻 6 号 p. 1037-1042
近年の高齢化社会の中で高齢者の総胆管結石に伴う急性胆管炎症例は増加しており,高齢者に対して胆道ドレナージを施行する機会は同様に増加している。また,高齢化社会の急速な進行とともに超高齢者の症例も増加傾向にある。高齢者の急性胆管炎に対する治療は内視鏡的胆道ドレナージ(endoscopic biliary drainage:EBD)が第一選択であり,非高齢者と比較しても同等に有用かつ安全な治療とされている。しかし,臓器機能および身体予備能が低下している高齢者にとって内視鏡治療は循環器系や呼吸器系への負担が大きく,高齢者特有のリスクや偶発症などを考慮し慎重に行う必要がある。また,年齢だけでなく症例個々の全身状態や基礎疾患を考慮し,柔軟に適切な治療選択を行うことが重要である。