2019 年 39 巻 6 号 p. 1121-1125
症例は60歳,男性。10日前から続く下腹部痛の増悪を主訴に当院の救急外来を受診した。右下腹部に腫瘤を触知し,同部位に圧痛と筋性防御を認めた。CT検査で回腸末端から盲腸が上行結腸に重積し,回結腸動静脈領域や傍大動脈領域に腫瘤が多発していた。下部消化管内視鏡検査を行ったところ,送気のみで腸重積は解除され,バウヒン弁を覆うような隆起性病変がみられた。生検結果はGroup1〜2であったが,盲腸癌や悪性リンパ腫などの可能性が考えられた。腹痛は改善したため,待機的に腹腔鏡下回盲部切除術(D3)を施行し,病理組織学的にMantle cell Lymphomaと診断された。術後経過は良好であり術後12日目に退院した。成人の腸重積症は器質的疾患を有することが多い。今回われわれは腸重積症で発症した悪性リンパ腫に対して腹腔鏡下手術を施行した1例を経験したので報告する。