日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
症例報告
特徴的な画像所見から術前診断し得た子宮広間膜裂孔ヘルニアの1例
平松 宗一郎柳川 憲一松永 伸郎
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 40 巻 1 号 p. 57-59

詳細
抄録

子宮広間膜裂孔ヘルニアは,内ヘルニアの中でも比較的まれな疾患であり,術前診断が困難なことも多い。今回,CTの特徴的な所見から術前診断し得た1例を経験したので報告する。症例は50歳女性。下腹部痛と嘔吐を主訴に当院の救急外来を受診した。腹部CT検査でDouglas窩に入り込んだ小腸と,直腸や子宮の圧排像,また子宮左側に小腸ループの形成および腸間膜脈管の収束像を認めた。子宮広間膜裂孔ヘルニアによる腸閉塞と診断し,同日緊急手術を施行した。左子宮広間膜に生じた約3cmの裂孔に,回腸が30cmにわたり陥頓した内ヘルニアを認めた。陥頓を解除後,裂孔は縫合閉鎖した。陥頓腸管のうっ血,発赤は認めたが,虚血や壊死所見は認めなかったため,腸管切除は行わなかった。術後経過は良好で術後7日目に退院となった。

著者関連情報
© 2020, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
前の記事 次の記事
feedback
Top