2020 年 40 巻 5 号 p. 615-619
【研究背景・目的】「高齢者に関する定義検討ワーキンググループ」から提言された「高齢者」の定義である75歳以上の急性胆囊炎に対する初回の単回経皮的ドレナージ術の有用性と安全性の検討を目的とした。【対象・方法】2016年1月から2017年12月までに当院でドレナージを施行した62例に対し,75歳以上(高齢者群)32例と75歳未満(非高齢者群)30例との2群に分けて,重症度・再燃率・合併症率・内科入院期間・転帰について後ろ向きに比較検討した。【結果】中等症・重症例の割合は68.8%/33.3%で,有意に高齢者群に多かった。再燃は1例/0例,合併症は0例/1例で両群有意差をみとめず,内科入院期間・転帰とも両群有意差は認められなかった。【結論】初回治療の単回の経皮的ドレナージは,75歳以上においても75歳未満と同程度に,有用性が高くかつ合併症が少ない処置であることが示唆された。