日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
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症例報告
心臓手術後の非閉塞性腸管虚血症(NOMI)に対して小腸分節切除と分離腸管造設により救命し得た1例
岡屋 智久松山 尚樹福田 啓之芝﨑 秀儒櫻井 洋一田村 友作菅野 勇山﨑 一人
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2020 年 40 巻 7 号 p. 849-853

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抄録

患者は75歳,女性。大動脈弁狭窄症,冠動脈病変,発作性心房細動に対して心臓血管外科で大動脈弁置換術,冠動脈バイパス術,肺静脈隔離術,左心耳閉鎖術を施行した。血清乳酸値が第2病日に軽度上昇し,第6病日にさらに上昇し腹痛も出現した。腹部造影CT検査で小腸壁在気腫,上腸間膜静脈から門脈内のガス像を認めた。NOMIと診断し同日外科受診し緊急手術を施行した。小腸に広範囲かつ不連続性の虚血変化を認めた。広範囲小腸切除を回避するために空腸,回腸を分節切除し,温存した中間位小腸は一時的に分離腸管とした。病理診断ではNOMIとして矛盾のない所見であった。術後は栄養管理,水分出納調節,肝不全などへの対応に苦慮したが,第21病日に消化管再建術を施行後は経過良好であり第49病日に軽快転院となった。血清Alb値は退院時2.5g/dLまで低下したが,退院後11ヵ月で3.9g/dLと入院前値に復し,短腸症候群は呈していない。

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© 2020, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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