2020 年 40 巻 7 号 p. 861-864
症例は85歳男性で,腹痛と血便を主訴に他院を受診し,腸閉塞の診断で当院に救急搬送となった。腹部造影CTで回盲部の腸重積症とそれに伴う腸閉塞を認め,下部消化管内視鏡検査では腫瘍を先進部として回腸末端より上行結腸中程に至る回盲部型の腸重積を認めた。明らかな絞扼や腸管虚血の所見は認めず,イレウス管挿入のうえ待機的に腹腔鏡下腸重積解除および回盲部切除術を施行した。小腸癌による成人腸重積は比較的まれであり,加えて自験例では腹腔鏡を用いた整復手技が有用であった。若干の文献的考察を加えて報告する。