2021 年 41 巻 1 号 p. 103-105
症例は26歳男性。腹痛,発熱が出現したために当院を受診した。採血で炎症反応の上昇を認め,CTで50mm大の造影効果を伴う囊胞性腫瘤を認めた。発熱,腹痛,採血で炎症反応の上昇を認め,かつ疼痛コントロールが不良であったことから緊急手術を施行した。囊腫は小腸間膜内に存在したが,小腸との連続性はなかった。囊腫切除に加えて小腸部分切除術を施行した。術後経過は良好で第13病日に退院した。病理組織は仮性腸間膜囊腫と診断され,囊腫の細菌培養検査は陰性であった。腸間膜囊腫は比較的まれな疾患であり,多くは無症状で経過するが,囊腫増大に伴う慢性的な腹部症状や囊腫内感染による急性腹症で発見されうる。当院での腸間膜囊腫切除例について,文献的考察を加えて報告する。