2021 年 41 巻 4 号 p. 223-228
【背景】近年,外傷患者において脈圧の減少がショック発症の予測因子となることが報告された。同様の予測が非外傷性出血についても適応可能か検討した。【対象・方法】2008年1月から2020年9月までに当院救急室を受診した急性出血性胃潰瘍患者で,65歳以上の79例について90分以内に来院時収縮期血圧90mmHg未満に至った群(ショック群)とならなかった群(非ショック群)に分けて後方視的に解析を行った。【結果】単変量解析では脈圧と収縮期血圧で有意差を認めた。90分以内のショック発症に対しての脈圧のcut off値について検討すると,脈圧48mmHgで最適となった(P=0.005)。多変量解析では脈圧<48mmHgが独立したリスクとなった。【結論】高齢患者の急性出血性胃潰瘍において来院時脈圧はその後の90分以内のショック発症の予測因子となる可能性が示唆された。