2021 年 41 巻 4 号 p. 255-259
症例は75歳,男性。胃癌術後であり,左腎癌術後再発に対し化学療法を施行するも全身倦怠感,ADL低下のため入院加療となっていた。入院30日目に右側腹部痛が出現し,3日後に尿量減少,CRP上昇を認めた。単純CTで右腎前面の後腹膜に広範な液体貯留を認め,腸穿孔による後腹膜膿瘍と考え緊急手術となった。術中に穿孔部位は同定できなかったが,回腸人工肛門造設+腹膜炎根治術を施行した。術翌日よりウィンスロー孔に留置したドレーンから胆汁漏出を認め,内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査で,胆囊底部から造影剤の漏出を認めた。胆囊穿孔に伴う胆汁性の後腹膜膿瘍が推察され,根治目的に胆囊摘出術を施行した。今回われわれは診断に難渋した後腹膜膿瘍を合併する壊疽性胆囊炎の1例を経験した。