2021 年 41 巻 7 号 p. 575-577
症例は72歳,女性。横行結腸癌に対して単孔式腹腔鏡下横行結腸部分切除術を行い,pT4aN1M0 Stage Ⅲbの診断で術後補助化学療法としてカペシタビン・オキサリプラチン療法を8コース投与した。術後1年9ヵ月のCT検査で多発肝転移および腹膜播種を認めたため,イリノテカン・S-1・パニツムマブ療法を開始した。2コース目を投与して5日後,右上腹部痛および嘔気が出現した。翌日に救急外来を受診し,腸管気腫症の診断で当科入院となった。腸管虚血は積極的には疑われず,原因としてパニツムマブに伴う腸管気腫症が考えられ,保存的治療で軽快した。腸管気腫症の原因として腸管虚血の他に薬剤性も知られ,分子標的薬に伴う例も知られる。その場合保存的治療が選択肢となり外科的介入が避けられる可能性がある。