日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
診断に苦慮した腹痛で発症した異所性巨大褐色細胞腫の1例
杉山 宏和田上 修司河村 史朗
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2021 年 41 巻 7 号 p. 571-574

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抄録

症例は,62歳女性。急激な腹痛を主訴に受診し,CTで肝左葉下面に約8.5cm大の腫瘤像を指摘された。3日後に貧血の進行と腫瘍の増大を認め緊急手術を実施した。小弯に10cm大の腫瘤を認め可及的に切除し,最終診断は褐色細胞腫であった。術前および術中に,高熱や高血圧,多汗といった典型的な症状を認めず診断に苦慮した。術後経過は順調で術後経過2年間の経過観察で明らかな再発を認めていない。褐色細胞腫の異所性発生は,全体の約10%で腹部大動脈周囲に多い。遠隔転移がない場合には,外科的切除が第一選択になる。巨大例や異所性発生の場合,典型的な症状をとりにくく診断が困難であることが多い。今回,腹痛で発症し術前診断に苦慮した異所性巨大褐色細胞腫の1例を経験したので報告する。

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© 2021, Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
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