日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
腹腔鏡下手術を施行した外側型盲腸周囲ヘルニアの1 例
田中 保平猪瀬 悟史加賀谷 丈紘利府 数馬田原 真紀子栗原 克己
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2022 年 42 巻 1 号 p. 73-76

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抄録

症例は54 歳,男性。小児期に詳細不明の下腹部手術歴あり。嘔吐を主訴に受診され,精査のCT で盲腸外側で小腸のcaliber change を認めた。腸管壁の造影効果は保たれていた。癒着性腸閉塞と盲腸周囲ヘルニアを鑑別にあげ,イレウス管による保存的治療を行った。減圧は良好であったが,通過障害が改善しなかったため腹腔鏡下手術を行った。外側型盲腸周囲ヘルニアと診断し,ヘルニア門を開放して小腸の嵌頓を解除した。腸管の虚血は認めなかった。術後経過は良好で術後4 日目に退院した。術後約1 年4 ヵ月の現在,再発を認めていない。腹腔鏡下手術は,十分な減圧のもとで腹腔内を詳細に観察可能であり,本症例のように癒着性腸閉塞と内ヘルニアとの鑑別が困難で術前に確定診断できない症例にはとくに有用である。今回われわれは腹腔鏡下に診断,治療し得た外側型盲腸周囲ヘルニアの1 例を経験したので報告する。

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© 2022 日本腹部救急医学会
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