2022 年 42 巻 3 号 p. 455-458
症例は48 歳男性。心窩部・右下腹部圧痛,39℃で受診した。WBC 14,700/μL,CRP 30.9mg/dL で,CT で多房性構造に液体を伴っているようにみえ,小腸腫瘍の微小穿孔を疑い開腹手術を施行した。穿孔は認めなかったが空腸に5cm 大の腫瘍と周囲に滲出液を認めた。内腔に粘膜下腫瘍様の隆起があり,乳白色の液体を認めた。病理組織学的検査で,炎症を伴う小腸リンパ管腫と診断された。リンパ管腫は炎症で見つかることもあり,文献的考察を加えて報告する。