2024 年 44 巻 1 号 p. 47-50
症例は72歳,男性。意識障害,ショックバイタルで当院に救急搬送となった。造影CTで左総腸骨動脈瘤から下大静脈への穿破を認めた。総腸骨動脈瘤 -下大静脈瘻の診断となり,緊急ステントグラフト内挿術(endovascular aortic repair:以下,EVAR)を施行した。ステントグラフト挿入後の血管造影検査および術後CT検査では明らかなエンドリークを認めず動静脈瘻は消失した。術後経過良好で第8病日に退院となった。腸骨動脈瘤の下大静脈穿破はまれだが致死的であり,迅速な対応が必要である。症状が非特異的であり,造影CT検査が診断および術式選択に必要である。EVARは低侵襲かつ循環動態の迅速な回復に寄与するため,解剖学的に適格であれば治療の第一選択になり得ると考えられた。