2024 年 44 巻 1 号 p. 43-46
症例は79歳,男性。以前より完全内臓逆位症を指摘されていた。今回,発熱と下痢を主訴に当院を受診した。腹部は膨満し,左上腹部に腹膜刺激兆候を認めた。血液生化学検査では炎症反応上昇と肝胆道系酵素上昇を認めた。CTで胆囊は腫大し胆囊壁は肥厚していた。画像検査では内臓逆位以外の解剖学的異常は認めなかった。急性胆囊炎と診断し腹腔鏡下胆囊摘出術を行った。全身麻酔下開脚位で術者は脚間に立ち臍下よりカメラポートを挿入し気腹した。頭高位左側高位とし,心窩部,左肋弓下中程のポートを操作用とし,左肋弓外側のポートを助手用とした。胆囊には炎症に伴う線維化と易出血性を認めるも通常の手順で胆囊を摘出し,術中胆道造影で胆管損傷がないことを確認した。術後経過は良好で,術後7日目に退院した。