2024 年 44 巻 3 号 p. 555-559
症例は86歳,女性。外出中に屋外で倒れこみ,通行人によって救急要請,意識障害を主訴として当院救命センターに搬入された。バイタルサインは保たれていたが,腹部エコーで腹腔内出血と腹部大動脈瘤を認めたため,造影CTを施行し,腹部大動脈瘤破裂の診断となった。初療室へ帰室直後に心肺停止となり開胸心臓マッサージおよび下行大動脈を遮断した後,ただちに初療室内で心臓血管外科による緊急人工血管置換術が施行された。術後合併症の残存はあったものの,リハビリテーションを目的に転院に至った。高齢者の心肺停止を伴う破裂性腹部大動脈瘤症例に対して救急救命医と心臓血管外科医のすみやかな連携で救命の可能性がもたらされることが示唆された。