日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
両側閉鎖孔ヘルニアの嵌頓・整復を繰り返し,非観血的整復後に待機的腹腔鏡下腹膜外到達法による根治手術を行った1例
佐々木 亘亮清水 康仁信本 大吾藤野 真史文 陽起
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2024 年 44 巻 3 号 p. 565-568

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抄録

症例は91歳の女性。3年前に腹痛を主訴に当院に救急搬送され,左閉鎖孔ヘルニア嵌頓の診断となった。自然整復したため待機手術を提案したが希望せず経過観察となった。その後,閉鎖孔ヘルニア嵌頓で3回他院に救急搬送されいずれも整復されたが,外科医不在で手術は検討されなかった。今回,5回目の右閉鎖孔ヘルニア嵌頓で当院に救急搬送された。超音波ガイド下に非観血的整復を行い,再発リスクなど説明し待機手術を推奨したところ手術を希望した。両側閉鎖孔ヘルニアに対して待機的腹腔鏡下腹膜外到達法(totally extraperitoneal endoscopic repair:TEP)によりヘルニア根治手術を行い,術後合併症なく退院した。閉鎖孔ヘルニアに対する用手整復が一般的となり,嵌頓・整復を繰り返す症例は日常的に経験する。一方で超高齢者であると医療者側が手術に消極的になりやすいが,本症例のように整復後も嵌頓を繰り返すことがあることを念頭に治療方針を検討することが肝要である。

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