2024 年 44 巻 4 号 p. 579-585
急性胆囊炎に対する腹腔鏡下胆囊摘出術(Lap-C)では,高度炎症などによる手術困難例に対し術中大量出血や胆管損傷(bile duct injury:以下,BDI)回避の目的でbailout surgery(以下,BOS)が推奨されるが,有用性は明らかではない。今回,急性胆囊炎に対するBOSの周術期成績と腹腔鏡下BOS(以下,Lap-BOS)の有用性を検討した。2015年4月〜2023年3月の急性胆囊炎に対し早期胆囊摘出術(腹腔鏡下アプローチ)を行った237例の患者背景や周術期成績を検討した。BOS群で胆囊周囲炎症例が多く,手術時間延長と出血量増加が認められたが,BDIはなかった。開腹移行群は,重症胆囊炎が多く術前CTで胆囊周囲炎症を伴う症例が多かった。Lap-BOS群は開腹移行群と比較し良好な術後成績を示した。急性胆囊炎手術困難例や重症例においてもBDIを認めずBOSは有用なアプローチと考えられた。