2025 年 45 巻 7 号 p. 587-593
【はじめに】急性胆囊炎に対する緊急腹腔鏡下胆囊摘出術中の胆汁培養検査は頻繁に行われるが,その臨床的意義は十分に解明されていない。本研究では,その意義と課題を検討した。【対象および方法】2014年1月~2023年12月に当院で緊急腹腔鏡下胆囊摘出術を施行された急性胆囊炎患者136例を対象とし,後方視的に検討した。【結果】胆汁培養陽性は高齢および術中出血量とともに,術後治療の遷延に関連する因子であった。また,陽性例は高齢や高ASA-PSおよび術後CRP高値と有意な関連を認めたが,胆囊炎重症度や発症からの経過時間などの胆囊炎関連因子との関連は認めなかった。【結論】胆汁培養陽性は術後治療遷延に関連する因子であり,高齢やASA-PS高値と関連を認めた。ただし結果判明に時間を要するため,臨床判断への活用が難しい。その有用性の検証が今後の課題である。