日本腹部救急医学会雑誌
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原著
Open Abdomen Managementを要する下部消化管疾患に対する輸液制限の生存率および治療成績への影響
根本 大資中尾 彰太福島 大福間 博松岡 哲也
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2025 年 45 巻 7 号 p. 594-599

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抄録

下部消化管疾患に対するopen abdomen management(以下,OAM)施行中の輸液戦略に対する制限輸液の有用性を検討した。過去6年間に下部消化管疾患に伴う敗血症で初回手術時にOAMを行った53例を対象とした。脈圧変動,拍出量変動,拍出量指数,尿量を指標としたgoal directed hemodynamic therapy(以下,GDHT)群と,平均動脈圧と乳酸値を指標としたrestrictive normovolemic therapy(以下,RNT)群に分け,比較検討した。28日死亡率(GDHT群 33.3% vs RNT群 28.1%)には有意差を認めなかった。一方累積水分バランス,OAM継続期間,人工呼吸器装着期間,気管切開施行率はRNT群で有意に低値であった。以上より制限輸液は,生存率改善効果を認めないものの,合併症を増加させることなく治療期間短縮に寄与する可能性が示唆された。

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