日本腹部救急医学会雑誌
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術前診断が可能であった胆嚢軸捻転症の1例
平沼 知加志尾山 佳永子石川 暢己前田 一也石黒 要川上 和之金平 永二大村 健二渡邊 剛
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2003 年 23 巻 3 号 p. 531-534

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抄録
症例は77歳, 女性。脳梗塞, 心房細動にて近医入院中, 腹部膨満, 右下腹部を中心とした腹痛, 発熱を認めたため, 麻痺性イレウスとして保存的加療していたが症状軽快せず, 当科紹介となった。腹部CT, MRI上, 胆嚢床に胆嚢は認められず, 肝門部に渦巻き様構造を認めた。また回盲部に, 内部に液体貯留を伴う厚い壁に囲まれた管腔様構造を認めた。胆嚢軸捻転症と診断し, 緊急手術を施行した。開腹すると胆嚢管から頸部にかけて捻転しており, 胆嚢底部は巨大な膿瘍を形成し, 右下腹部まで及んでいた。周囲との癒着は強く, 可能な限り剥離し胆嚢摘出術を施行した。術後は順調に経過し, 18日目に前医に転院となった。
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