日本腹部救急医学会雑誌
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閉塞性大腸癌による急性大腸閉塞の治療法の検討
経肛門イレウスチューブの有用性
田中 豊彦坂本 力井本 勝治山崎 道夫古川 顕高橋 雅士村田 喜代史
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2003 年 23 巻 4 号 p. 583-587

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抄録
閉塞性大腸癌は, 癌を切除する前に緊急減圧処置を必要とするoncologic emergencyの一つであり, 処置のタイミングや方法を誤ると致命的となる.近年, 閉塞性大腸癌の緊急の減圧治療において経肛門的イレウスチューブを用いた減圧洗浄術が行われている. われわれも経肛門専用のチューブを開発し, その有用性について報告してきた. 今回, 癌により大腸閉塞をきたした45症例 (直腸癌10例, S状結腸癌24例, 下行結腸癌8例, 横行結腸癌2例, 膀胱癌直腸浸潤1例) に対し経肛門的イレウスチューブ留置を試み, 良好な治療効果が得られたので報告する. また, 最近, 欧米を中心に行われ, 我が国でも増えつつある金属ステントを用いた減圧術について文献的考察も加えながら比較検討する.
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