日本腹部救急医学会雑誌
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腹腔鏡下胆嚢摘出術に先行するIVRの有用性
近森 文夫片岡 友和国吉 宣俊国吉 和重河島 孝彦渋谷 進高瀬 靖広
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2003 年 23 巻 4 号 p. 589-596

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抄録
腹腔鏡下胆嚢摘出術 (LC) に先行するinterventional radiology (IVR) には経皮経肝胆管ドレナージ (PTBD), 経皮経肝胆嚢ドレナージ (PTGBD), 経皮的乳頭バルーン拡張術 (PPBD) がある。1996年11月から2002年9月までにPTBDを前提としたPPBD併用LCを有症状胆嚢胆管結石43例に, PTGBD先行LCを急性胆嚢炎36例に施行した。前期17例はPPBDによる除石2~7日後にLCを施行, 後期26例は全身麻酔下にLCと同時に一期的にPPBDを施行した。PTGBD後LCは状態の落ちついた1~7日後に施行し, PTGBD周囲残存胆嚢粘膜はアルゴンプラズマ凝固法にて焼灼した。PPBD併用LCにおいては, 全例で胆管結石の除石が可能で, 開腹移行率は0%, LC手術時問は73±26分, LC術後入院期間は11±4日であった。PTGBD先行LCにおいては, 術中胆管造影成功率は97%, 開腹移行率は3%, LC手術時間は82±29分, LC術後入院期間は10±3日であった。胆嚢胆管結石, 急性胆嚢炎, 胆管炎に対してLCに先行するIVRは有用と思われた。
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