日本腹部救急医学会雑誌
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術前に診断し得た胆嚢出血による胆嚢穿孔の1例
小林 慎二郎大坪 毅人高崎 健
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キーワード: 胆嚢穿孔, 胆嚢出血
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2004 年 24 巻 5 号 p. 949-952

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抄録
症例は72歳男性.右季肋部中心の急性腹症にて当科を受診した.血液検査にて炎症所見と胆道系酵素の上昇, 貧血を認めた.腹部CT検査にて肝周囲のeffusionの貯留と胆嚢床部からの噴射状の動脈性出血が確認され, 急性胆嚢炎, 胆嚢穿孔および胆嚢出血と診断し, 緊急手術を施行した.術中所見では胆嚢床部から動脈性の出血を認め, それが穿孔部より腹腔内に流出していた.基礎疾患に全身の血管系異常があったため胆嚢動脈にも動脈瘤が形成された可能性が考えられた.さらに症状出現が急激であったことから胆嚢内動脈瘤の破裂による出血と胆嚢炎, 穿孔と考えた.
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