日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
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エビデンスに基づいた周術期感染対策
ガイドライン, システマティックレビュー, メタナリスからの最新の知見
真弓 俊彦有嶋 拓郎高橋 英夫武澤 純
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2005 年 25 巻 5 号 p. 721-729

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抄録
周術期感染症は現在もなお術後死亡の大きな誘因であり, 院内感染は入院期間の延長, 医療費の増大から病院の収益率低下を招く時代となった。周術期感染対策に対しても多数の質の高い研究が行われ, それに関するメタアナリシス, システマティックレビュー, ガイドラインが多数報告されてきている。ここではこれらを中心に周術期感染症対策についての最新の知見について述べた。腹腔内感染症に関しても原発性のものと院内感染症に準じる二次的な感染症に分類し抗菌薬の使用法を考慮する必要がある。また, 各施設でサーベイランスを行い, 各施設での細菌の特性に精通していることが肝要である。上記の質の高いエビデンスを, 各施設の実状に合わせたマニュアルに取り入れたエビデンスに基づいた周術期感染症対策の施行が望まれる。
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