日本腹部救急医学会雑誌
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右鼠径ヘルニアによる続発性大網捻転症の1例
小竹 優範伴登 宏行村上 望森田 克哉小泉 博志俵矢 香苗石黒 要山田 哲司
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2005 年 25 巻 5 号 p. 765-768

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抄録
今回われわれは右鼠径ヘルニアによる続発性大網捻転症の1例経験したので報告する。症例は29歳, 男性。2005年1月中旬に腹痛を主訴に当院を受診した。膀周囲部に圧痛を認めたが, 腹膜刺激症状はなかった。小児頭大の右陰嚢腫脹を認めたが還納は可能であった。採血検査で白血球数・CRPの上昇を認めた。腹部CT検査で渦巻き状層状の腫瘤と右鼠径ヘルニアを認めた。以上より, 急性腹症として同日緊急手術を施行した。術中所見では淡血性の腹水を少量認め大網は時計回りに5回転し広範囲に壊死し, 末梢は内鼠径輪にはまり込んでいた。大網を捻転部より中枢側で切除した。また, Kugel patch ® (M) で右鼠径ヘルニアを修復した。術後経過は良好で, 術後第10病日に退院した。
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