2006 年 26 巻 3 号 p. 433-436
症例1: 40歳, 男性. 焼き鳥を食べた後, 腹痛, 嘔吐出現. 腹痛続くため翌日当院受診. 腹部所見は精神発達遅滞のため腹部圧迫の際の苦悶様表情のみ. 腹部CT上, 遊離ガス像と小腸内にhigh density像を認めた. 消化管穿孔の診断にて発症後19時間で緊急手術施行. トライツ靱帯より120cmの小腸にpin holeを認め, その近傍の小腸内に45mmの竹串を認めた. 症例2: 76歳, 男性. 鯛の水炊きを食べた後, 突然腹痛出現. 近医受診し入院. 近医での翌日の腹部CTにて遊離ガス像, 腹水, 小腸内に石灰化像を認めたため, 同日当院へ紹介となった. 魚骨による消化管穿孔の診断にて発症後16時間で緊急手術施行. トライツ靱帯より130cmの小腸にpin holeを認め, その近傍の小腸内に30mmの魚骨を認めた. 発症前の食事内容の詳細な問診と腹部CTで, 魚骨や竹串による小腸穿孔を術前診断することは可能であると考えられた.