日本腹部救急医学会雑誌
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早期胃癌穿孔の1例
上村 眞一郎
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2006 年 26 巻 7 号 p. 859-862

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抄録

早期胃癌穿孔はまれな疾患である。今回われわれは, 早期胃癌穿孔を経験したので報告する。症例は63歳, 男性。2005年12月中旬から左季肋部痛が出現し, 鎮痛剤を内服していた。数日後, 痺痛が増強したため, 当院の夜間救急外来を受診した。上部消化管穿孔性腹膜炎と診断し緊急手術を施行した。胃角部前壁に5mm大の穿孔を認め, その内腔は腫瘤様に隆起していた。胃癌穿孔が否定できなかったため, D1+No.7, 8aリンパ節郭清を伴う幽門側胃切除術を施行した。病理組織学的所見は, III+IIc型, 深達度sm2の早期胃癌の穿孔で, No-3, 4d, 5, 6, 7, 8aリンパ節に転移を認めた。S-1の内服とCDDPの点滴による補助療法を現在施行中である。

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