日本腹部救急医学会雑誌
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盲腸窩ヘルニアの1例
田中 拡寺澤 孝幸水野 豊坂本 康寛
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2006 年 26 巻 7 号 p. 881-884

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抄録

症例は87歳女性。突然発症した腹痛と嘔吐を主訴に当院を受診した。右側腹部に圧痛を認め, 弾性硬の径5cnnの腫瘤を触知した。術前CTにおいて回盲部の高さで壁が浮腫状に全周性に肥厚し腸管があり, 上行結腸を内側に圧排していた。盲腸付近の内ヘルニアによるイレウスと診断し, 緊急手術を施行した。盲腸窩に回盲弁から160m口側の約10cmの小腸が嵌頓していた。ヘルニア門を開放し小腸を還納した。盲腸窩ヘルニアは比較的まれな疾患で術前診断は困難とされているが, 本症例はCTが術前診断に有用であった。

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