2006 年 26 巻 7 号 p. 885-887
敗血症性ショックで顕性化した腸間膜原発GISTの1例を経験した。症例は60歳代女性で, 高熱, 腹痛, ショック状態で当院入院, 精査の後に小腸・腸間膜GISTの診断で手術を施行した。腫瘍は上部空腸間膜原発で, 20センチ大の膨張性壁外性発育であったが, 腫瘍に固着する小腸に打ち抜き様穿孔があった。このため腫瘍内部と腸管内腔が交通し, 消化管出血と敗血症を引き起こしたものと考えられた。術後経過は良好であった。GISTの発育形態からみて興味ある経過であったため若干の考察を加えて報告する。