教育メディア研究
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NHK学校放送「体験!メディアのABC」を教材にしたメディア・リテラシー教育の実践的研究(<特集>メディア・リテラシー教育の現状と課題)
駒谷 真美
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2005 年 11 巻 2 号 p. 47-55

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抄録
メディア・リテラシー教育の現状は,操作中心教育に偏重する傾向があり,メディアの特性理解と適切な選択の学習(Learning about Media)の遅れが否めない。そこで,総合的なメディア・リテラシー教育を支援する番組として, NHK学校放送「体験!メディアのABC」が2001年に始まった。本研究では,この番組(キャッチコピーの回)を教材とした授業実践の効果について,小学校5年生を対象に実験した。その結果, 4時間の授業で番組視聴とコピー制作を実践した実験群が,番組視聴のみの実験群と何もしない統制群よりメディア・リテラシー理解度が有意に上昇し,肯定的反応と高い学習意欲と発展活動の兆しも見られた。教師も実践の手ごたえを感じ,番組の意義を認めていた。番組がメディア・リテラシー教育の教材として,子どもたちのメディアとの上手なつきあい方を学ぶのに,適切な教材であることが示唆された。
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© 2005 日本教育メディア学会
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