教育メディア研究
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小学校家庭科「家庭での実践」学習におけるタブレット端末活用の効果
永田 智子鈴木 千春
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ジャーナル オープンアクセス

2015 年 21 巻 2 号 p. 39-50

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抄録

本研究の目的は,小学校家庭科における「家庭での実践」学習で,タブレット端末(TPC)を活用することの効果や活用上の留意点等を明らかにすることである.そのため二つの小学校の家庭科で「家庭での実践」学習を実施し,インタビュー調査やアンケート調査,提出物の分析を行った.その結果,ワークシート(WS)よりも,TPCのカメラアプリやノートアプリを活用した方が,児童,特に書くことやまとめることに困難を感じる児童が,家庭で実践する上で有効であることが分かった.しかしWSの方が記録しやすいと感じる児童も一定数いるため,自由に選択できるようにする必要がある.また,TPCを活用した児童は,記録しやすく楽しい,発表しやすく楽しい,友達の発表もわかりやすい,と感じることがわかった.さらに,TPCを活用すると記述による言語活動は減少する傾向にある一方で,発表が友達の実践を質的に向上させる可能性があり,そのような発表はTPCの活用で促進される可能性があることも示唆された.

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© 2015 日本教育メディア学会
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