抄録
本研究は、英語ビデオ教材視聴学習において、ストーリー展開順の場面提示を先行オガナイザーとして、及びシンセサイザーとして使用した場合の学習効果を、また、これら指導法と学習者の聴解力との間の交互作用について検証した。まず、等質な3群(各40名)が、一定のローテーションでビデオ教材のエピソードごとに、先行オーガナイザー使用の指導法、シンセサイザー使用の指導法、それらを使用しない指導法へと割り当てられ、それぞれの群は、各エピソードの視聴後に、ビデオの内容理解度を測る事後テストを行った。そして、各群の等質性を測るために使用したJACET聴解力テストの得点と、8回の事後テストの得点より分析を行い、その結果、先行オーガナイザーを用いた指導法の学習効果、及び、この指導法と学習者の聴解力との間の交互作用は明らかになったが、シンセサイザーを用いた指導法の学習効果、またその交互作用は実証されなかった。