抄録
本研究の目的は,SSHで理数探究に取り組んだ生徒の成長の様相を明らかにすることである。SSHの事業を10年以上にわたって継続してきたZ高校で,2023年度から2〜3年の理数探究を履修した10名の生徒にインタビューを行い,その内容をもとに分析を行った。その結果,SSHの生徒には理数探究に対するモチベーションをもとに探究を進めたプロセスが見られた。探究に伴う困難さも生じていたが,探究を支えてくれた状況もあり,生徒の探究プロセスが進行した。その結果として,探究を通して感じた自身の変化や受験と探究の関係性や小中学校の探究的な学び方の違いについての認識をもったことが明らかになった。生徒が探究の困難さを感じながらも,それらを乗り越えて成長した姿から,研究をまとめる締め切りを設けたり,仲間・教師・社会との関わりを促進したり,探究を通して得られた喜びを感じさせたりすることが生徒に対する探究の支援方法として有効であることが示唆された。