抄録
探究的な学びの充実や生成AIの登場により,ファクトチェックやメディア・リテラシーの重要性が高まる中,本研究は小学校中・高学年児童の参考文献の記述の実態を明らかにすることを目的とした。公立小学校27校の3年生から6年生まで計2,115名を対象に,図鑑,絵本,書籍,教科書,新聞,行政機関のPDF資料,新聞社ウェブニュース,学校放送番組ウェブページ,YouTube動画教材,生成AI生成画像の10種類の資料を提示し,参考文献欄への記述を求めた。その結果,著書名や発信元など資料を特定する中心的要素の記載には一定の傾向がみられた一方,ページ,発行日,URL,閲覧日,生成日等,所在や参照条件を示す要素の記載は低水準にとどまり,達成率は生成AIで最も低かった。学年別では,3年生から6年生にかけて記述量が増加し,6年生で最大となった。資料種別に応じた必要要素を統合して出典を明示する技能の育成に課題が残されていることが示唆された。