日本救急看護学会雑誌
Online ISSN : 2189-6771
Print ISSN : 1348-0928
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救急外来におけるトリアージナースのストレッサーについて
役割や能力に関するストレッサー内容
野島 敬祐
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2016 年 18 巻 2 号 p. 11-18

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抄録
本研究の目的は、救急外来のトリアージナースの役割や能力に関するストレッサーの内容を明らかにすることである。トリアージを導入している一次、二次および全次・ER型の救急告示病院の救急外来に勤務しているトリアージナース15名に対し、1回限り30分程度の半構造化面接を実施した。面接では、トリアージを行う中で、どのようなことにストレスを感じるか具体的に話してもらい、役割と能力に関する記述を抽出し、分析を行った。その結果、トリアージナースの役割に関するストレッサーの内容として、【人命にかかわるトリアージのプレッシャー】【患者や家族との対応】、能力に関するストレッサーの内容として、【トリアージの困難さ】【トリアージに必要な能力の不足】の4つのカテゴリーが抽出された。トリアージナースは医師の診察よりも先に問診を行い、1人で患者や家族の対応を行わなければいけない状況や、限られた時間でトリアージレベルを判定する能力の不足を感じているといったトリアージナースの特殊性に関するストレッサーが存在していた。そのため、トリアージナースのストレッサーを軽減させていく具体的な方策の必要性が示唆された。
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© 2016 一般社団法人日本救急看護学会
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