抄録
目的:本研究は、フィジカルアセスメント能力を測定するOSCE評価表の信頼性を検証し、評価者間の一致率を向上させるための基礎資料とすることが目的である。
方法:臨床経験年数が2年目の看護師11名を対象にOSCEを実施した。OSCEは受験者のフィジカルアセスメント能力を評価するものであり、身体徴候の観察や問診および身体診査を実施する「実施項目」、得られた情報を評価する「判断項目」、判断した情報を記録する「記録項目」に分類した。この評価表を用いて、2名の評価者で受験者を評価した。データの分析は、評価項目ごとにκ係数を算出し、算出できない場合は平均値とその信頼区間を算出して一致率を評価した。κ係数が0.8以上の場合、評価者間の一致率が高いと判断した。
結果:評価者間の一致率が高かった評価項目数は、実施27項目中23項目(85.2%)、判断15項目中12項目(80.0%)、記録21項目中18項目(85.7%)であり、記録項目の一致率が最も高く、判断項目が最も低くなった。κ係数が算出できなかった16項目(実施5項目、判断3項目、記録8項目)は、すべて90%を超える平均値であり、高い一致率であった。
考察:評価表の妥当性を高めるため、評価項目における判定基準を設定していた。実施および記録項目は、判定基準の明確性が高い一致率につながった。一方、判断項目の一致率が低くなったのは、個人によって評価する基準が異なっていたと考えられる。
結論:問診や身体診査の実施および記録に関する能力は、評価者間で一定の基準を用いて評価することができた。OSCEを評価するにあたり、実施するOSCEの目的を評価者が明確にしたうえで、評価者間の評価基準を統一させて実施する必要がある。