2025 年 13 巻 1 号 p. 13_40-13_48
単純作業となりがちな試算表作成演習に対しシステム化の要素を取り入れることにより,受講生の学習観がどのように変容するのか検証を行った。結果,システム化の要素を取り入れた学生群は認知主義的学習観の要素が高い結果となった。一方,集計作業メインの試算表作成を行った学生群は,非認知主義的学習観の要素が高い結果となった。これらの結果より,定量的な情報作成を行うことが多い会計学教育の演習に対し,演習内容に対しシステム化の要素を取り入れることにより,大学の教育内容を学ぶ学習観を形成させる一要因になることを検証した。また,発展可能性として入門期の段階で仕訳データを使った多様な情報作成の講義を行うための基礎が形成されたと考えられるため,定量的な情報作成を行う関連の講義に対して認知主義的学習観の要素が高い状態で転移する可能性があるといった教科間における教育効果の転移が生じる可能性の示唆を得た。