選挙研究
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事前審査制の導入と自民党政調会の拡大
『衆議院公報』の分析を通じて
奥 健太郎
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 34 巻 2 号 p. 33-46

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抄録

1955年自民党政権は事前審査制という新しいルールを導入した。自民党はいつ頃,どのようにして,この新しいルールに適応したのだろうか。本稿は『衆議院公報』の会議情報を数量的に分析することにより,その適応の時期が1959年であったことを明らかにした。このことは1959年から閣法の事前審査が円滑に進むようになったことから裏づけられた。また事前審査を円滑にした要素として,第一に政調会が1958年の「政策先議」以来,予算編成過程に深く関与するようになったこと,第二に1950年代後半,政調会の部会が増員されるとともに,周辺会議体や下位会議体が大量増設され,政調会の政策決定への参加の機会が拡大されたことを指摘した。

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© 2018 日本選挙学会
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