選挙研究
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中選挙区制における均衡状態
リード スティーブン•R
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2000 年 15 巻 p. 17-29,186

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抄録
均衡状態というのは入りやすく,出にくい状態であるから,動態的な分析が最も適切と思われる。本論では,物理学のカオス理論で使われているリターン•マップを利用して,二つの均衡状態を分析する。一つは,筆者が提示した「M+1」法則で、有力候補者数が定数より一人だけ多い状態である。M+1の均衡状態がはっきりと出ているし,3人区により強く出て,定数が多くなるにつれて,均衡状態が弱くなる傾向を発見したのである。
もう一つの均衡状態は,議席で計算した有力政党数と得票率で計算した有力政党数が一致する状態である。それは,論理的に整合的であるにもかかわらず,実証的な分析からは余りはっきりとは現れない。
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