日本原子力学会誌
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466. 再生フミン酸による放射性物質の吸着特性
松村 隆
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1968 年 10 巻 6 号 p. 310-312

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抄録
湿式酸化炭から抽出された再生フミン酸について,バッチ法で137Cs-137Ba, 89Srおよび60Coの吸着特性を調べた結果,つぎのことが明らかとなった。
(1) 再生フミン酸の89Srおよび60Coに対するKd値は137Cs-137Baのそれよりも高い値を示し,捕集効果の大きいことがわかる。
(2) Na型再生フミン酸はH型再生フミン酸よりもRIの吸着捕集効果が大きい。このため,再生フミン酸をイオン交換体として使用する場合にはNa型として使用することが望ましい。
(3) 再生フミン酸の137Cs-137Baおよび89Srに対するKd値はpH4~7でほぼ一定の高い値を示し,捕集効果の大きいことがわかる。pH4以下,7以上ではKd値は急速に減少し,捕集されがたいことを示している。一方,60Coに対するKd値はpH4以上ではほぼ一定の高い値を示し,捕集効果の大きいことがわかる。
(4) 共存するNaおよびCaイオン濃度が高くなると,RIに対するKd値は低下して捕集効果が小さくなるが,比較的高濃度のCaイオンが存在していても137Cs-137Baに対するKd値は高い値を示し,かなりよく捕集されることがわかる。
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